コンパクトでスタイリッシュ、しかもベルトドライブ搭載で人気の折りたたみ電動アシスト自転車であるADO Air 20。海外の紹介動画やネットの記事を見ていると、時速30km以上で走る姿が紹介されており、リミッターを解除してスピードを出してみたいと思う人もいるかもしれません。
結論として、日本国内でADO Air 20のリミッター解除を行い、公道を走行する行為は絶対にNGです。
これはメーカーの推奨外の改造であるという話ではなく、日本の道路交通法に違反するペナルティが発生するほか、事故の際に人生を棒に振るほどの重大なリスクを伴います。
この記事では、電動アシスト自転車の安全性や法令について調べ尽くした筆者が、リミッター解除をしてはいけない理由とリスク、および日本仕様のままで十分に快適な理由を客観的なデータとともに解説します。
そもそも電動アシスト自転車とフル電動自転車の違いとは?

リミッター解除について考える前に、まずは日本の法律における電動アシスト自転車の定義を整理しておきましょう。日本の道路交通法において、ペダルを漕ぐ力に合わせてモーターが補助する電動アシスト自転車は、軽車両すなわち自転車に分類されます。
これに対して、ペダルを漕ぐ動作をしなくても手元のスロットルを回すだけで自走できる車両は、フル電動自転車やモペットなどと呼ばれ、法律上は原動機付自転車に分類されます。
電動アシスト自転車として認められるためには、アシストの比率が速度に応じて細かく制御されている必要があります。具体的には、時速10km未満ではペダルを踏む力に対して最大で2倍のアシストが許されており、時速10kmから時速24kmまでは速度が上がるにつれてアシスト比率が減少していきます。そして、時速24kmに達した瞬間に、アシストの出力は完全にゼロにならなければなりません。
日本の法律においてこのような厳しいアシスト制限が設けられている背景には、自転車が歩行者や他の車両と混在して走る日本の特殊な道路事情があります。もし時速24kmを超えても強力なアシストが働き続ければ、狭い歩道や路地裏での急な発進や加速によって、重大な人身事故が多発してしまう懸念があるからです。
例えば、ヨーロッパの基準ではアシストの上限速度は時速25km、アメリカの多くの州ではクラスによっては時速32km (マイル換算) までアシストが許容されています。しかし、歩行者優先の意識が強く、かつ平坦で狭い道路が多い日本の都市環境では、速度差による危険が大きいため、時速24kmの制限が維持されてきました。このアシスト基準は、警察庁や学識経験者による度重なる安全検証を経て決定された数値です。そのため、国家公安委員会の型式認定制度などを通じて、厳格な安全基準が敷かれています。また、万が一の衝突事故を未然に防止するためにも、車両の区分に応じた厳格なルール順守がすべての利用者に求められます。
リミッター解除を行うと、時速24kmを超えてもアシストが働き続けるようになります。この状態になった車体は、たとえペダルを漕ぐ必要があるものであっても、自転車ではなく原動機付自転車とみなされるようになります。
日本の警察は、見た目が自転車であっても速度が出すぎている車両を不審車両として積極的に停止させ、簡易測定器などを用いてアシスト比率の検査を行っています。知らなかったと言い訳しても通用せず、前科がつく重罪として処理されることになります。
結論:日本国内でADO Air 20のリミッター解除をしてはいけない3つの理由

日本国内の公道において、ADO Air 20のリミッター解除を行ってはいけない明確な理由として、主に以下の3点が存在します。この改造行為には、所有者が想像する以上に致命的なデメリットやリスクが発生します。
1. 道路交通法違反による重い罰則
日本の法規に適合しない電動アシスト自転車で公道を走行した場合は、道路交通法違反として警察の摘発対象になります。
具体的には、無登録の車両を運転したことによる無車検運行や、強制保険である自賠責保険に未加入のまま走行したことによる無保険運行の罪に問われます。違反行為に対する処分は非常に重く、例えば自賠責保険に加入していない場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科され、さらに行政処分として免許停止処分を受けることになります。
さらに、原動機付自転車に該当する車両を運転しているため、普通自動車免許や原付免許を所有していない場合は無免許運転となり、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となる厳しい刑罰が科されます。免許を所有している場合でも、原付としての保安基準を満たしていない整備不良車両を運転した罪に問われます。
日本の警察は、見た目が自転車であっても速度が出すぎている車両を不審車両として積極的に停止させ、簡易測定器などを用いてアシスト比率の検査を行っています。知らなかったと言い訳しても通用せず、前科がつく重罪として処理されることになります。
2. メーカー保証の無効と故障リスク
リミッターを解除する行為は、製品の仕様を大きく変更する違法な改造にあたります。
ADO Air 20は、時速24km以下のアシスト制御に合わせて設計されており、モーターやコントローラー、バッテリーパックの耐久性もその負荷を前提に作られています。リミッターを解除して本来の設定以上の電流を流し続けると、電気系統に想定外の熱が発生し、以下の故障を引き起こす原因になります。
- コントローラーの熱破損やメイン基板のショート
- リチウムイオンバッテリーの異常劣化や発火トラブル
- モーター内部のギヤ摩耗や焼き付き
改造を行った痕跡がある車体は、メーカーの製品保証がすべて無効になります。ADO Air 20には購入後のサポートが用意されていますが、改造車は一切の保証や修理対応を受けられなくなります。
故障した部品を自分で調達して修理するとなれば、コントローラーやモーターの交換だけで数万円以上の高額な出費になります。安全性を損なうだけでなく、経済的にも大きな損失を被ることになります。
3. 事故の際に各種保険が適用外になる
万が一、リミッターを解除した車体で歩行者や他の車両と衝突事故を起こしてしまった場合、その金銭的な代償は個人の手に負えるものではなくなります。
通常、自転車の事故に対しては、個人賠償責任保険やTSマーク付帯保険、あるいは各種の自転車保険が適用され、相手への補償や自身の治療費が支払われます。しかし、各種保険の約款には、法令に違反する改造車両や、無登録の原動機付自転車による事故は免責事項となる旨が明確に記載されています。
つまり、リミッターを解除した車体での事故は、すべて無保険での事故として扱われます。
過去の自転車事故の判例では、歩行者に重度の障害を負わせたケースで、9000万円を超える損害賠償の支払いを命じられた事例があります。保険が使えない場合、その数千万円におよぶ賠償金は、すべて自己の資産から支払わなければなりません。
一生かかっても払い切れないほどの債務を背負うことになり、自己破産を選択せざるを得なくなることもあります。自分自身の人生はもちろん、家族や被害者の人生まで破滅させてしまう重大な結末に直結します。
ADO Air 20のリミッター解除方法は存在するのか?

海外の動画共有サイトやWeb掲示板であるRedditなどでは、ADO Air 20のディスプレイ設定メニューを開き、タイヤサイズの数値を変更して速度センサーを誤認させる方法が解説されていることがあります。また、専用アプリであるADO Smart APPを使って最高速度の設定を変更する方法が紹介されることもありますが、海外市場向けの仕様に限り有効な方法です。
しかし、日本で正規販売されているADO Air 20は、日本の道路交通法の基準を満たすように、システムのプログラム自体が国内専用に書き換えられています。そのため、ディスプレイの操作によって簡単に制限上限を変更することはできない対策が施されています。
一部の違法なパーツ販売業者が、速度リミットを解除するためのコントローラーや裏コマンドなどの情報を販売している例もありますが、製品の動作保証はありません。改造パーツを装着した時点で車体が完全に故障し、動かなくなるなどの大きなトラブルも報告されています。
また、どのような手段であれ、アシスト速度の上限を変更した車体で公道を走れば法律違反です。私有地の中だけで走らせる前提を掲げる人もいますが、実際に走る場所のほとんどは公道であり、その違法性を正当化することはできません。
もしリミッター解除車で事故を起こしたら?発生する具体的な社会的損失

違法に改造した電動自転車で事故を起こした際のリスクについて、法的な罰則や賠償金だけでなく、被る社会的・精神的な損失についても詳しく見ておきましょう。
事故が発生すると、警察による徹底的な捜査が行われます。事故を起こした車両は証拠品として押収され、科学捜査研究所などにおいてアシスト比率の解析が行われます。ここでリミッター解除の事実が発覚した場合、過失運転致死傷罪ではなく、より刑罰の重い危険運転致死傷罪や重過失致死傷罪が適用される可能性が極めて高くなります。
また、マスコミによって違法改造のフル電動自転車による暴走事故といった形で実名報道されるリスクも高まります。実名が報道されれば、現在の職場を解雇される原因となるほか、家族が近隣に住み続けることが困難になるなどの社会的制裁を受けることになります。
警察の取り締まり現場においても、警察官が自転車を呼び止め、アシストの挙動を厳しくチェックする光景が増加しています。通勤や通学などの日常の移動において、常に警察官に止められる不安と恐怖を抱えながら走行するのは、精神的にも非常に大きなストレスとなります。
このような暗い影を背負ってまで、わずかな速度アップを求めるメリットはどこにもありません。
リミッター解除不要!ADO Air 20の日本仕様が快適な3つの理由

日本仕様の時速24km上限のままであっても、ADO Air 20は驚くほど快適でスポーティな走行を楽しむことができます。日本の厳しい法的な基準を守りつつ、高い実用性を発揮するための技術的な特徴を解説します。
1. パワフルなハブモーターのアシスト
ADO Air 20のリアハブには、定格出力250Wの高性能なブラシレスハブモーターが搭載されています。
このモーターは、急な登り坂やペダリングの漕ぎ出しにおいて、非常に力強い推進力を提供してくれます。
快適な走行を支えているのが、クランクの回転だけでなく踏み込む力そのものを測定するトルクセンサーです。従来の安価な電動アシスト自転車に採用されていた回転センサーとは異なり、ライダーがペダルをどれだけの力で漕いでいるかを1秒間に数百回の頻度で計測し、最適な電力をモーターに送ります。
坂道に差し掛かってペダルを踏み込むと、踏んだ力に応じてアシスト力が立ち上がるため、踏み込み負荷をほとんど感じることなくスムーズに坂を登り切ることができます。不自然な急加速がなく、自分の脚力が強化されたかのようなリニアな感覚を味わえるのが特徴です。
2. ベルトドライブの軽い走行抵抗
ADO Air 20の最大の特徴であり、他の電動アシスト自転車と大きく差別化されている部分が、カーボンベルトドライブシステムです。
従来の金属製チェーンとは異なり、摩擦抵抗が極めて小さいため、ペダルを踏んだ力がそのままダイレクトに車体に伝わります。
そのおかげで、アシストが法律で制限される時速24kmを超えた領域でも、ペダルが極端に重くなる現象が発生しません。
多くのチェーン式電動アシスト自転車は、アシストが切れた瞬間に車体の重さとチェーンの抵抗が足かせとなり、ペダルが非常に重く感じられます。しかし、ADO Air 20はベルトドライブのスムーズな転がり性能のおかげで、アシストオフの状態になっても普通の軽量なミニベロと同じ感覚で、自力で時速25km以上の速度を維持して走り続けることができます。
ベルトドライブは注油が一切不要なため、金属チェーンのように定期的なオイル注油にかかる時間や手間が不要になり、衣類の裾が黒い油で汚れるストレスからも解放されます。
3. 軽量設計による快適な自走性能
多くの電動アシスト自転車が車体重量20kgから30kgを超える重さであるのに対し、ADO Air 20はバッテリーを含めても約16kgから18kgと非常に軽量に作られています。
フレームに強度の高いアルミニウム合金を採用し、折りたたみ機構の設計も洗練されているため、余計な肉厚を削ぎ落とすことに成功しています。
車体が軽いことで、平地での漕ぎ出しや坂道でのモーターへの負荷が抑えられ、結果的にバッテリーの消耗を最小限に抑えることができます。
また、万が一出先でバッテリーが空になってしまった場合でも、車体の軽さとベルトドライブの軽快さによって、ギア比が適切に設定された普通のスポーツ自転車として快適に自走して帰宅できます。重い車体を押して歩く苦労を味わう必要がありません。
16kg前後の重量は、折りたたんで駅の階段を上り下りする輪行時や、自動車のトランクへの積み下ろし時にも、大人の力であれば容易に持ち上げられる範囲の重さです。
ADO Air 20のスペックとディテールを詳しく分析

ADO Air 20の日本仕様がなぜこれほど高い評価を得ているのか、その車体スペックと各部品の仕様を客観的に見ていきましょう。この詳細データには、長く快適に乗り続けるための工夫が満載されています。
まず特徴的なのが、シートポストと一体型になっているサムスン製の36V/9.6Ah大容量リチウムイオンバッテリーです。車体フレームの内部にバッテリーを隠す必要がないため、すっきりとした美しいホリゾンタル風のデザインを実現しています。
バッテリーはシートポストごと車体から引き抜くことができるため、自宅のコンセントがある場所までバッテリーだけを持ち運んで簡単に充電できます。シートポストのクランプ部分には頑丈な盗難防止用ロックピンが装備されており、駐輪中のバッテリー盗難のリスクもしっかりと低減されています。
ブレーキシステムには、一般的な機械式ワイヤーブレーキではなく、強力な制動力を誇る油圧式ディスクブレーキが前後に採用されています。軽い力でレバーを握るだけで天候に左右されない強力なブレーキが効くため、長い下り坂や雨の日の走行でも安全に車体をコントロールできます。
タイヤには耐パンク性能に優れた20インチの幅広タイヤが採用されており、街中の段差や舗装の荒れた路面でも不快な振動を吸収して安定した走行を実現します。前後のマッドガード (泥除け) も標準装備されているため、雨上がりの濡れた路面を走る際にも服への泥跳ねを防ぐ実用的な設計です。
ADO Air 20は、公式サイトで購入した場合、フレーム保証が最長で10年間、その他の電子部品や主要部品についても最長12ヶ月間のメーカー製品保証が付帯します。これは、実店舗のない海外メーカーの製品であっても、長期的に安心して使用できる強い裏付けとなっています。
安全にADO Air 20を楽しむための購入と選び方

ADO Air 20の軽快で安全な走行を満喫するためには、どこで購入するかが最大の鍵となります。
ネットオークションや一部の並行輸入サイトでは、日本の道路交通法の型式基準を満たしていない海外仕様のモデルが販売されていることがあります。並行輸入品の車体は、公道を走ることができない違法な車両であるばかりか、日本国内での正規の防犯登録を行うことができません。
自転車の防犯登録は、法律によって義務付けられており、登録を行うためには正規の販売証明書や領収書が必要になります。海外並行輸入品では証明書類が発行されないことが多く、登録を拒否されてしまいます。
防犯登録を行うための具体的な手順は以下の通りです。
- 車体を購入した際に同梱されている販売証明書と、身分証明書を用意します。
- 最寄りの自転車防犯登録所 (街の自転車店やスーパーの自転車売り場など) に車体と書類を持ち込みます。
- 地域ごとに定められた登録料 (東京都は660円など) を支払い、防犯登録ステッカーをフレームに貼付してもらいます。
公道で安全に走るためには、必ず日本の道路交通法に準拠した日本仕様の国内正規品を購入してください。
日本の正規代理店であるアソバイショップや、メーカーの公式ストアを通じて購入した車体であれば、日本の法律に完全に適合したアシスト比率の車体が手に入り、防犯登録用の書類も確実に同梱されます。また、購入後のトラブルに対するメーカー保証や、交換用パーツの供給といったアフターサポートもスムーズに受けることができます。
まとめ:ADO Air 20は日本仕様のままが一番安全で快適!

ADO Air 20のリミッター解除に関する違法性や重大なリスク、および日本仕様の車体が十分に快適である理由を整理しました。
- リミッター解除は絶対NG: 道路交通法違反による罰則 (無免許運転や無保険運転) の対象になります。
- 深刻なリスク: 事故の際に自動車保険や自転車保険が一切適用されず、自己破産などの破滅的な結果を招く危険があります。
- 日本仕様のままで十分快適: 250Wハブモーターと高性能トルクセンサー、およびカーボンベルトドライブと軽量設計により、アシスト速度範囲内でも驚くほどスポーティで軽快に走れます。
時速24kmのスピードは、自転車で公道を走る上では風を切って爽快感を味わうのに必要十分な速度です。
リミッター解除の危険な行為に手を染めて、大切な日常や将来をリスクに晒す必要は全くありません。安全で合法的な日本仕様のADO Air 20を選び、快適で安全なサイクルライフを楽しみましょう。
